それでも続く

なんだか言いたいことが言葉にできない。
もしかしたら、もう言いたいことなんて無いのかもしれない。

少し前に、ずっと縛られていたある物事と決別した。憔悴しきった私の胃は裂ける程の痛みと燃えるような不快感を通り越して白色矮星のようだった。渦中にいた私は、視界に入るものひとつひとつを丁寧に呪っていき、いつも頭の中は世界への抗議で満たされていた。掃いて捨てるほどに書きたいことで溢れた時間には相当の幸せがあったけど、ある朝目が覚めたときに思った、もうごめんだと。もう戻らない。さよなら。肩の荷が下りた途端に呪詛は消え、歌詞のない曲を口ずさむようになった気がする。

言いたいこと書きたいことはもう無いかもしれないけど、それでも筆をとる指は軽い。色んな人の文を読んで、聞いて、もっと言葉に素直になりたい。