優しさ

常に優しくありたく、この目をどうしても閉じたくない。

誠実さ、落ち着き、視野の広さ、深い想像力、それらのない人と人の関係なんて、そんなもの、そんなもの。

詰まるところ、自分の思い遣りなんぞ高が知れているという失望と、それでもつなぎ留められていてくれという往生際の悪い静かな祈り。

 

 

(追記)太宰治の書簡の中の、優と書いてハニカミと読ませようというところ。本当にそうだと思う。思いたい。

人を憂うる、ひとの淋しさ侘しさ、つらさに敏感な事、これが優しさであり、また人間として一番優れている事じゃないかしら、そうして、そんな、やさしい人の表情は、いつでも含羞(はにかみ)であります。