エッセイは特に

一日が長くなってきた。少し前までは、瞬きをすると夜になっていた。少し体力に余裕がでてきたのだと思う。

好きな作家のエッセイ本を読んだ。作家を好きであればあるほど、自分にとって好ましい内容であればあるほど、読後に落ち込んでしまう。読書は難しい。
私は基本的に人を見くびっている。どんなに慕わしい相手でもだ。そうしてその人から自分が想像だにしないほど素晴らしい表現が飛び出すと、それらが冷や水となり私の芯を冷やす。今までその人を見くびっていたんだろう。知った気になっていたんだろう。今になってその良さに驚くとは、何と浅はかで無礼で愚かしいことか。恥を知れ。私の中の私が私を詰る。

もっと楽に本を読めないものか。好きな人を好きすぎるのかもしれない。